お知らせ

2024.03.08

QOLあげあげモンキーアパート 第2弾!!!

みなさんこんにちは~!

 

前回は「食」についての内容でした!

今回から、モンキーアパートの環境変化と、そこで暮らすサルたちについてのお話をしていこうと思います。

 

始めに紹介したように、手を加える前のモンキーアパートはこんな感じ。

フサオマキザル
ドグエラヒヒ
リスザル

まずはこの状態で、フサオマキザルの行動調査を行いました。

フサオマキザルの5頭で行いましたが、ここでは小吉(劣位個体)に焦点を当てていきます。

とても短いですが、11時から12時の1時間を3日間観察し、平均を出しました。

 

結果はこうでした。

採食:9.3%  探索:11.5%  休息:0%  毛繕い:9.9%

常同行動:14.9%  見渡し:14.3%  木齧り:8.3%  シュートの中(室内):31.8%

 

 


結果を見てわかるように、行動のレパートリーが少なく、展示場の物も少ないので、やることも行動も限られてしまっています。

フサオマキザルのほかの個体も似たような結果で、ドグエラヒヒもリスザルも行動調査はしていないですが、観察していて同じような印象を持ちました。

(この調査から1年後の今年の6月に、環境改善の途中経過として行動調査を行います。)

 

これはとてもやりがいがありそう!!!

 

てことでまず、フサオマキザルの展示場にはシュロの木をドーンと入れてみました。

ヒヒには丸太を入れ、リスザルには木という木を入れまくりました。

 

 

 

フサオマキザル
ドグエラヒヒ
リスザル

入れた結果、行動レパートリー運動量が明らかに増加しました。

 

フサオマキザル・・・複数頭で暮らす彼らにとって行動範囲が広がったことは、弱い個体は他個体を避けるための選択肢が増えたことにつながりました。また、シュロという木は毛の様な木の皮で覆われているため、皮をかき分けて毛繕いするような感じで、虫を探す行動もみられました。このような行動が増え、やることができたため、他個体を攻撃する行動が減り、個体同士の関係が少し改善されたように感じられました。

 

ドグエラヒヒ・・・丸太が増え、動ける範囲が倍に増えました。

 

リスザル・・・場所が増えたことによって、日光浴をする時に太陽の動きに合わせてベストスポットに移動できたり、木と木を飛んで移動したりするため、アクロバティックな動きが増えました。

 

他にも、木を齧って破壊するというとても良い新たな行動も増えました。

環境の変化によってサルたちの動きが増えたり良い行動が現れることは飼育員としてとてもうれしいです!

まだまだこれからもより良くできるよう、改良中です!

 

木や丸太を入れたから動きが増えた!以外にもサルたちの内面も変わってきました。

新しく木を入れたとき、展示場の様子が変わっているのでサルたちは怖がります。

しかしそれらが大丈夫なものだとわかると、木を使ったりいつも通りになります。毎日少しづつ木を増やしていくうちにサルたちも様々な経験をしていき、木以外の他の刺激に対しても寛容になってきました。

 

おっ!この時点でサルたちの暮らしがよくなってきた気が、、、いやいや、まだまだです。この段階では、ただ木を入れ、動きを増やせただけです。

 

次回!新発明、竹柱フィーダー!!! などのお話の予定です。

 

おたのしみに~!

ありがとうございました!!

 

 

飼育員 加藤あやか

 

 

丸太に乗るフィーフィー
丸太を歩くフィーフィー
丸太で休むフィーフィー