お知らせ

2024.04.07

QOLあげあげモンキーアパート第4弾!!!

みなさんこんにちは!!!

QOLあげあげモンキーアパート第4弾です!

前回は竹柱フィーダーなどについてでした。

 

今回のテーマは、「コンクリート無くす作戦!!!」です!

 

まず、どこのコンクリートを無くすのかというと、「展示場の床」です。

手を加える前のモンキーアパートの展示場の床はこんな感じ。

コンクリートの床に座るフィーフィー


床はコンクリートで、何もない何の変哲もないとてもきれいな床です。

このコンクリートの状態が悪いとは言いませんが、これは果たしてサルたちにとって良いのか?と疑問を持ちました。

 

そこで、写真の様な土に近いチップ(木を細かく砕いたもの)をモンキーアパートの展示場の床に敷き詰めました。


各展示場に軽トラ2台分のチップを敷き詰めました。

そして、サルたちを展示場に出してみました。

 

反応はいかに

 

フサオマキザルたちは少し警戒していましたがすぐにチップの上に降り、手でチップを掘っていました。

私の予想では、フサオマキザルたちは警戒してすぐにはチップの上は行かないと思っていたので、驚きましたがそれと同時に嬉しさがありました。

今までの木や竹などの様々な刺激などによっていろいろな物事に耐性ができ、寛容になったから今回のチップに対してのこの反応なのではないのかと思いました。

サルたちがだんだん良くなってきていると実感しました。

 

ドグエラヒヒとテナガザル、リスザルは警戒してすぐにはチップの上へ降りませんでしたが、自分たちのペースでゆっくり確かめながら数日かけて慣れていきました。

サルたちが経験したことのない、知らない未知なるものを大丈夫だと確かめ判断して乗り越えていき、結果、サルたちにとってこの刺激は、良い経験の一つとなったと見ていて感じました。

 

そして、慣れてきた頃からサルたちの行動に変化がありました!

今までは何もない真っ新なコンクリの床だったため、エサなどがどこにあるのか一目瞭然ですぐにわかり、簡単にエサを手に入れていましたが、チップを敷いたことによりエサがチップに紛れ、見つけずらくなり探索行動や採食時間が大幅に増えました。

また、エサをチップの中に埋めて隠すと展示場を隅々まで掘って探したり、チップの中いる虫などを手で掘って探して食べる様子も見られました。とても大きい行動の選択肢の変化です!!!!

始めの予想を超えるたくさんの良いことがありました。

エサを探すフィーフィー
チップを掘っている小吉

そしてチップを入れたあたりからサルたち同士の関係や内面にも徐々に変化が表れてきました。

以前行った行動調査の結果や普段の観察の様子から、今までのフサオマキザルたちは落ち着きがなく常に緊張状態でピリついている感じでしたが、チップをいれてしばらく経ったあたりから、フサオマキザル全体がゆったりのんびりしていたり、互いに毛繕いをしたり個体間の関係性が良くなってきたように感じることが多くなりました。

これは、以前はやることがなく、暇な時間に他個体を攻撃していましたが、今はエサを探したり刺激に対しての耐性がついたり暇な時間が減って、やることが増えたことによりサルたちの内面がより良くなった結果からだと思っています。

 

わ!これは!次に行う行動調査が楽しみ!!!

 

しかし、これで終わりっではありません。サルたちのためにやるべきことがまだまだたくさんあります。

QOLが少しずつ上がってきた気が!いやいやまだまだです!!

 

次回!フサオマキザルの脳トレーーーニング!!! です

おたのしみに~

 

  飼育員 加藤あやか