お知らせ

2025.10.15

亡くなった動物の報告(2025年6月~)

2025年の6月から亡くなった個体をご報告します。

 

フンボルトペンギン 緑♂

死因:肺炎

生まれた日:2001年3月21日

死亡日:2025年6月28日

前日の27日まで食欲、元気ともに異常は無く、動きに不調はありませんでした。
換羽の兆候が見られ、ここ数日は遊泳せず陸地や巣穴で過ごしていました。

28日朝から動かず腹ばいになり、開口呼吸がみられたため熱中症を危惧し、扇風機や散水などをしましたが開口呼吸に改善は見られませんでした。
夕方、獣医に投薬処置をしてもらいましたが、残念ながらその2時間後に死亡しました。

剖検をおこないましたが肺炎の著変以外ハッキリとした原因が分からず、専門機関に臓器を送り検査してもらったところ、肝臓の癒着がみられたとのことでした。

緑は飯田のペンギンの中で最年長の個体で、長い間動物園で活躍してくれました。
メスの空とペアだったころには4羽の子供を育て上げ、イクメンっぷりを発揮していました。


 

フンボルトペンギン 晴♀

死因:不明

生まれた日:2013年6月4日

死亡日::2025年7月9日

前日の8日まで食欲、元気ともに異常は無く、動きに不調はありませんでした。
緑同様に換羽の兆候が見られ、ここ数日は遊泳せず陸地や巣穴で過ごしていました。

発見時外傷がありましたが、死に直結するほどのものはありませんでした。
上記の緑のように園内での剖検では限界があるため、専門機関に遺体を送り剖検してもらいました。
しかし内臓・骨に異常は見られず、なぜ死亡したのか分からないくらい臓器はきれいだったそうです。
突然の出来事で、主担当としてとても悲しく、無念に思います。

晴は上記の緑の子供で、緑が空にフラれてからはペアとなっていました。
緑に一途で、独身のときでも一人で巣穴に巣材を運ぶなど一生懸命な子でした。


フンボルトペンギン 雷♂

死因:不明※鳥マラリアによる可能性あり

生まれた日:2011年6月1日

死亡日::2025年7月16日

5月25日から食欲不振が続いており、体重測定などをしながら様子を見て給餌していました。
糞便検査をおこないましたが異常は見つかりませんでした。
上記2羽の死亡を受け、他のペンギン飼育園館様から情報収集をしていたところ、『鳥マラリア』の可能性が浮上したため、マラリアの投薬治療をしようとしていた矢先、残念ながら死亡しました。
前日も採餌意欲はあり、ここから回復してほしいと願っていたところでしたので、残念に思います。

雷はペア想いで、ペアのメスが鳴くとすぐに駆け付けていました。
がっしりとした体型が特徴的で、貫禄のある子でした。


【ペンギン3羽の連続的な死亡に関する追記】

それぞれ死亡状況が異なるため関連性は不明です。

緑、晴と死亡が続き雷も食欲不振に陥っていたことから、他のペンギン飼育園館様から情報収集をしていたところ、『鳥マラリア』の可能性があるのではないか、との結論に至りました。

鳥マラリアとは、蚊が媒介する原虫です。
これは感染したら必ず発症するわけではなく、換羽による身体コンディション低下時や、夏季の暑さによるストレスなどにより防御機能が低下して発症するのだそうです。
発症すると急性の経過を辿り、健康に見えていた個体が突然急死することもあります。
死亡した3羽とも換羽がまだ来ておらず、暑くなり始めてから換羽の兆候がみられました。

上記の雷(♂)の検体を、寄生虫の専門機関に検査してもらったところ、肝臓組織に陽性反応がみられました。
これが直接の死因となったかは不明とのことでしたが、いずれにせよ、鳥マラリアがペンギンたちの体内にいる可能性があることがわかりました。

当園では蚊よけの設置や植栽の剪定などの対策をしておりましたが、今回の件で対策が不十分であったと感じております。
今後は蚊の忌避対策と暑熱対策を徹底していきたいと思います。
また、現在飼育中の8羽に対し、血液検査と鳥マラリアの予防投薬を実施していきます。

原因究明や検査等に時間がかかり、亡くなってからのご報告が遅れてしまいましたことをお詫び申し上げます。
今後とも、飯田市立動物園のペンギンたちをよろしくお願いします。


 

ニホンザル ミーミ♂

死因:不明

生まれた日:不明(2000年以前)

死亡日::2025年7月3日

前日まで変わった様子は見られず、
給餌の際もいつもの定位置で食べる様子が見られていました。
暑くなる日にはお気に入りの日陰で休む姿も見られていました。

しかし以前の若いころに比べ反応が鈍くなり、
顔のしわは増え、
体格も少しだけ小さくなったような印象がありました。
群れの中での順位は中くらいで、
他のニホンザルとうまく過ごしていたように思えます。
お客さまから、「ミーミと」声をかけていただいた場面も
よくありました。

検査の結果、死因に直結するような原因はわかりませんでした。
これで飯田市立動物園のニホンザルはオスが10頭、メスが10頭となっています。

 


今まで見守り、応援していただきありがとうございました。