お知らせ
QOLあげあげモンキーアパート第14弾!!!
こんにちは!
QOLあげあげモンキーアパート第14弾です!!!
今回のテーマは「キキの爪問題」です。
飯田で暮らすミュラーテナガザルのキキは、1965年に日本の施設に来たという記録のみで正式な年齢がわかりません。
そのため、推定60歳以上です。国内最高齢で、最近は世界最高齢説も出てきました。
ミュラーテナガザルの飼育下での平均寿命は約40年といわれているので、キキはなかなかの高齢です。
キキのスペースもゆっくりゆっくりと改良しており、環境だけでなく関わり方も変えて無理のない範囲でなるべく動かすということを意識しています。
外に出ているときは呼んで来てもらってエサを渡したり、退屈な時間を減らすためにこちらへ意識を向けたり、グルーミングをしてあげたり・・・などしています。
しかし、いくら環境やキキの動きを変えても”足の爪”がずっと長いまま。
手の爪はとてもきれいに短いのに足の爪だけは伸びっぱなしです。

これは私一個人の意見ですが、爪が伸びてしまうということは環境や暮らし方が良い状態ではないので、爪が伸びているか伸びていないかも動物たちにとって良い環境かなどの指標だと考えています。(その他の要因もあり)
だからこの考えがあるので私はずっと、環境が良くないからだ。爪を切ってしまうのは簡単だが、根本解決ではないしその前にやれることはないか。高齢だから動きが少ないからという理由もあるがそればかりのせいにもしたくない。環境などの他の要因も変えずにすぐに爪を切るという方法に走ることが嫌いなので、うだうだ悩んでいました。
が、しかし悩みながら観察しているときに、網状の柵を登るときに足の爪が引っ掛かりそうな動きをしていることがありました。
それを見て、もし爪が引っかかってケガした時の方がキキにとって負担になると思い、切ることに決めました。
今考えたら、長すぎるゆえに暮らしの中で削れるにも削れない可能性もあると思ったので、とりあえず一回切った方がいいかもという考えに。
まずは、①近くに来てもらう ②足を触られることに慣れる ③爪切りに慣らす ④爪を切る という4段階で考えました。
①キキはエサを受け取りに来るときは決まって人の頭の高さくらいから手を伸ばしてエサを受け取ります。

その高さだとキキの足の位置は頭上になってしまうのでまずはもう少し下まで降りてきてもらえるようにすることにしました。
1日4,5回のおやつの時に、キキが決めた場所でおやつを渡すのではなく、私が決めた位置で受け渡しができるように、キキに「下だよ」と教えると、初めはなぜいつもの場所でもらえないのか不思議そうに考えながらこちらを見ていましたが、渋々降りて来ておやつを受け取ってくれました。
これを繰り返すうちに、下の位置まですんなり降りてきてくれるようになりました。

②おやつを食べている間に、足が写真のようになっているので足を触ってみることに。
初めは嫌そうで足を引っ込めてしまったり上に上がっていってしまったりしましたが、毎日毎日少しずつ行っていくうちに平気になってきました。

足の裏を触ったり、指を触ったり、爪を触ったり。だいぶ慣れてきて頃に爪切りを見せてみました。
③爪切りを足に当ててみたりしましたが、手で触っているときと変わらない様子でおやつを食べていました。
④ここまで準備を重ねて、爪が切れそうな雰囲気だったので切ってみることに。
いつもと同じようにおやつをあげて、足を触って、爪切りを見せて切ってみると、切れました。

切ったときの衝撃で驚いてしまうかもと思っていましたがすんなり切らせてくれました。
今までずっと爪が伸びっぱなしだったので出血の恐れがあることと、急に爪が短くなってしまうと歩きに影響が出る可能性があるため、1回で0.5cmくらいずつ切っていくことにしました。
これから少しずつ少しずつ切っていって、短くしていこうと思います!
ある程度まで短くなったら切るのはやめて、日々の生活の中で削れていくものなのかどうなのか判断して今後も環境改善を進めていこうと思います。
とても高齢なのでキキのペースに合わせてより良い生活になるようにサポートしていきます!!
飼育員 加藤 あやか
