今までのふれあいイベント(動物とかかわるイベント)は、
より多くの方が動物にふれることから動物に興味をもってもらうためのものでありましたが、
動物よりも来園者の方の満足を強く優先したイベントのやり方になっていました。
そのため動物にかかる負担が多かったです。

今までの方法は、飼育員の立ち会いのもと、来園者の方がふれあい広場に自由に出入りし、
注意書きを読んでから動物に触ってもらっていました。

大人数を対応する時には、流れ作業で動物をさわってもらうだけのイベントになっており、
動物の種類によってはストレスを与える時間になっていたかもしれません。

飼育員としては、本当に動物に興味を持ってもらったり、魅力を伝えられているのかが疑問でした。

そのような、動物のみに負担をかける状況を変えたいと思い、
飯田市立動物園は動物とかかわるイベントを行う際に、以下のテーマを打ち出しました。

テーマは「どうぶつもひとも心地よく」　です。

イベントを通して、

・動物との正しいかかわりかたを伝えます。
・動物種それぞれの特性を活かした魅力を伝えます。
・動物1頭1頭の性格や、その動物の気分や体調にあわせたものにします。
・来園者の方がより動物に興味を持って楽しめるものにします。
・来園者の方が、動物のために行動するきっかけを作ります。

動物は、一方的にさわられることが苦手です。
動物とかかわっていくことは常に思いやりが必要で、簡単なことではありません。
動物が安心し、うれしいと思えるような環境を創り、
そんな動物の姿を見て、来園者の方が喜べるようなイベント、そして動物園を目指します。

今までのイベントのやり方からは大きく変わるため、困惑されてしまう方もいらっしゃると思いますが、
「どうぶつもひとも心地よく」というテーマを実現するため、スタッフ一同試行錯誤していきますので、
今後とも飯田市立動物園をよろしくお願いいたします。


2023/3/17　飯田市立動物園スタッフ一同